ご存じですか?
サウジアラビア、給与額を変えずに全員の給料を11日分削る
サウジアラビアは1932年以来、公務員の給与をヒジュラ暦(イスラムの太陰暦)に従って支払ってきました。
ヒジュラ暦の1年は、新月後の三日月の観測で決まる29日または30日の月が12か月続くもので、およそ354日になります。グレゴリオ暦の1年より約11日短いのです。
給与は年額で決まっていました。そのため84年間、サウジアラビアの公務員は354日ごとに1年分の給与を受け取っていました。太陽暦で測れば、働いていない11日分の給与までもらっていたことになります。
2016年10月1日、大がかりな緊縮策の一環として、閣僚会議は公務員の給与をグレゴリオ暦に基づく支払いに切り替えました。
給与額が変わった人は一人もいません。どの給与明細の数字も、一つとして減ってはいませんでした。しかし、その給与が支払われる1年が11日長くなりました。こうして王国のすべての公務員は、暦だけを通じて、ひっそりと11日分の減給を受けたのです。
同じ緊縮策では、閣僚の給与が20%削減され、年次休暇が42日から36日に減らされ、賞与も廃止されました。
時計: ヒジュラ暦はサウジアラビアで今も宗教上、そして多くの民事上の用途で使われています。月を基準にしているため、太陽暦の世界では決して起こらないことが起こります。
太陽に対して毎年約11日ずつ早まるため、イスラム暦の日付は季節の中を着実にさかのぼっていきます。ラマダンは春から冬、秋、夏へと移り、約33年で元の季節に戻ります。
つまり、生涯にわたって断食を続けるイスラム教徒は、リヤドの冬の短く穏やかな断食の日も、リヤドの7月の過酷な断食の日も含め、あらゆる季節のラマダンを経験し、長生きすれば一巡りをおよそ2回見ることになります。
リヤドでは2つの暦が同時に動いています。一方は月に結びついて移ろい、もう一方は太陽に結びついて動きません。この国は1世紀をかけて、暮らしのどの部分をどちらの暦に委ねるかを一つずつ決めてきました。
出典・情報源
- Arab News『KSA switches to Gregorian calendar』(2016年10月1日の閣僚会議決定)
- Gulf News『Public sector loses 11 days of salary after calendar switch』
- PRX/The World(公務員は同じ給与で11日多く働くことに)
- Middle East Monitor(ヒジュラ暦の1年は354日)
- Inside Saudi(1932年以来ヒジュラ暦で支払い、33年の季節周期)